#19 ロンドン大学で学部の代表になってみた【やること多すぎて焦る】

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イギリスの大学には Representative という取り組みがあります。

これは「代表」という意味で、学生の中から代表を立てて学生自治を促そうというものです。大学時代まではリーダーなんていう柄ではなく常に端っこにいた筆者。しかし、テレビ局に就職して以降、ニュースのメインキャスターやスポーツ実況を通して少しばかり「責任感」に目覚め、ロンドンでも勢いそのままに Representative(以下、Rep)に立候補してみました。

ということで今回は、

ロンドン大学で学部の代表になってみた

というお話です。

‘Rep’ってなんぞや?

Rep の役割はクラスと学部をつなぐことにあります。仮にクラスメイトの一人が教師に直接不満や要望を伝えても、それが学部にて速やかに議論・改善されるわけではありません。

例えば…

もっと快適な or 広い教室を使いたい

といった比較的すぐに解決できそうなことから

クラスで差別的行為を受けた or メンタルヘルスで悩んでいる

など深刻なものまで学生の要望・意見は多岐にわたります。

Repはこうした学生の声を集約し、学部に対し正式な要請をする権限をもっています。

つまり Rep とは会社でいうところの「プロジェクト・リーダー」でありサークルの「幹事」みたいな役割だと思います。もちろん Rep をしたという経験は履歴書(CV)にも書くことができます。

‘Rep’の種類

Rep の役割は

  1. Programme Rep
  2. Department Rep

の2種類に分けられます。

前者は「クラスの代表のことを指し、もし一つのコースに10クラスあるとすれば基本的には10人の Reps が必要になります。一方、後者は「学部の代表」のことで、学部の規模にもよりますが、1年間に1~3人がこれを務めます。クラスと学部の代表を兼務することはありません。

例えば、私が最初の1年間に在籍していたロンドン大学ゴールドスミスの English language Centre は Foundation course と Graduate Diploma course に計100人ほどが在籍している比較的小さな学部なので Department Rep は1人。Programme Rep は学部全体で10人程度です。

一方、私が2019年10月から在籍する Media and Communications 学部のように学士・修士あわせておよそ1000人が在籍しているマンモス学部では Department Rep が3人、さらに Programme Rep は数え切れないほどいます。

まずは Programme Rep をやってみた

私は2018年6月末の渡英後すぐに9週間の Pre-sessional course を受講しました。

最初の週に担任の講師から

各クラスに Rep が一人ずつ必要だから来週までに決めておいてね☆

と告げられたのですが、私を含めほぼ全員が仕組み自体を分かっておらず「え?ラップ?レップ?何それ?」 みたいな感じでした。当時のクラスメイトは15人程度。比較的若い学生が多かったので、年長者の私が中心となり話し合いを進める中で、私自身がクラスの代表を担うことになりました。

 

というよりは

Rep を決めるための話し合いをしましょう

と切り出した時点で私に決まっていたような気がします。

しかしクラスメイトからこれといって不満や要望はなかったため、正直特にやることもなく、2週に一度開かれる全体会議に出席してこれまでの感想や問題点を報告するといったぐらいでした。ロンドン大学ゴールドスミスの Pre-sessional course は計15クラス程度あり、他のクラスの代表を見渡すと「意識高い系の中国人」が Rep をしているなという印象でした。日本人も数名いました。

ということで、最初の Rep をやってみた感想は「特にそこまで大変じゃないし、経験を積むという意味ではやっておいて損はないかな」ぐらいのものでした。

Department Rep もやってみた

2018年10月からは Graduate Diploma course の授業が始まりました。夏限定の短期コースである Pre-sessional course に対して、10月からのコースは歴とした1年間のプログラムです。このコースは来年度に修士プログラムへ進むことを目的としていて、English Language Centre という学部に所属することになります。クラスは専門分野(メディア、アート、音楽、創造文化)によって4つに分けられ、それぞれのクラスに一人ずつ代表が必要となります。

ところが「学部の代表」はこれとは性質が全く異なります。主な特徴としては…

  • Students’ Union の管轄
  • 採用面接がある
  • 給料が発生する(年£700)

さらに「学部の代表」はクラスのそれのように

みんなで話し合って決めておいてね☆てへ

みたいな感じではなく、志願者が学部に対して申請を行い、後日面接を受け、それに受かって初めて代表の座に就くことができるのです。

なんだかよく分からないけれど、良い経験になりそうだしとりあえずやってみようかな♪

と楽観的だった筆者。そういえば英語で面接を受けるなんて人生初…と、やや腰が引けつつも応募してみることにしました。面接は English Language Centre のスタッフ・マーリンと Students’ Union のアンナによる2対1の形式で行われ

より良い環境を築いていくためには何が必要だと思いますか?

いまのゴールドスミスに必要なことは?

などを聞かれました。面接は終始和やかな雰囲気で、終了後すぐに連絡があり合格通知をもらいました。

Department Rep の仕事は

ということで「学部の代表」という何だか仰々しいポジションに就いたわけですが、少額ながらも給料が発生する「仕事」でもあります。学部の Rep の役割としては…

  1. 学部と学生との間をかけ持つ
  2. 定期的に開催される学部のスタッフ会議に出席する
  3. 月1回 All Reps Meeting に参加する
  4. Students’ Union の Annual Project に参加する

といったことがメインとなります。

①「学部と学生の間をかけ持つ」は各クラスの Programme Reps の意見を集約して学部に橋渡しをすることが主な仕事です。

②学部の意思決定機関であるスタッフ会議に参加できるというもので「人材不足について」や「プログラムの向上・提案」など講師の皆さんが抱えている意見や課題を知る事ができました。それに学部スタッフとかなり近しい関係になることができたので本当に良い経験になったなと思います。

③月に1回、ゴールドスミス大学の全学部の Reps 計60人程が集まり会議をします。私にとってこれがネイティブスピーカーや英語の堪能なヨーロッパ人と高度な会話をする初めての場だったのですが、とにかく皆さんの喋るスピードが速いので最初の内は何を言っているのかさっぱり分からず焦りました。会議では Students’ Union のスタッフが進行役になり、より良い環境を作るにはどうすれば良いか意見交換を進めます。一回の会議は約2時間ですが、毎回皆さんの話を聞き取るのに必死だったので本当に疲れました。。

④Annual Project は Rep が3つのグループに分かれ「大学の抱える課題」を題材にしたレポートの制作にあたる1年間のプロジェクトです。これが私にとって盲点で、ただでさえ慣れない英語での研究・エッセー執筆に苦戦しているのに、何だか難しそうなのがきたな…とやや後悔しました。

Annual Project の題材

私が振り分けられたグループの研究題材は「Retention」について。近年、ロンドン大学ゴールドスミスでは学生の中退が一つの課題になっていて、レポートを通じて、学生がドロップアウトしてしまう理由や傾向、学部の対応、他大学の取り組みなどを探ります。

メンバーは全員で21人。グループをさらに細分化して

  1. Core Group 3人
  2. Editorial Group 4人
  3. Interviewing Group 6人
  4. Survey Group 3人
  5. Best Practices Group 5人

の5グループに分かれました。私は Core Group に所属、各グループのリーダーと連絡を密に取りながら、その都度細かい締め切りを設定しプロジェクトをゴールに導くことが仕事です。このプロジェクトで最も難しいかったのは「中退した学生から意見を聞く」ことでした。すでに中退した学生を見つけ出すのはもちろん、理由や原因を聞きだすにはとても時間がかかります。その点、締め切りを設定してもそこに間に合わせることができないチームが続出し、何度も Core Group のメンバーと集まってはプロジェクトの進捗状況ついて話し合いました。

来なくなる人も多数発生

この経験を通して驚いたのが、けして少なくない人の数が途中から来なくなってしまったことです。連絡をしても一向に返信がないとか、「いま課題に追われていて忙しいからいけない」とか。自分の学部をより良くしたいという学生の集まりなので、そうとう責任感の強い学生たちの集団なのかなと思いきや、意外にそうでもありませんでした。笑

とにかく初めてのことだらけで結構大変な1年間のプロジェクトでした。

ということで Representative には

大変だからならない方がいい!

と思います。笑

一方、最後まで共にやり抜いた仲間の間には強い信頼関係が生まれ、総じて言えば友達もできたし良かったかなといった感じです。

 

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